大阪府の松井一郎知事と大阪市の吉村洋文市長の辞職に伴う大阪の「ダブル選挙」で自民党と大阪維新の会の対決姿勢が鮮明になった。

自民党は対抗馬として、大阪府の元副知事小西禎一氏の擁立を予定、市長選では、前回の市長選で吉村氏に敗れた党参議院選挙区第三支部長で元大阪市議の柳本顕氏を立てる。

小西氏は橋下徹元知事と松井知事の側近として両氏を支えてきたが、今回は維新の会を倒す立場に。柳本氏は大阪政界の大御所である柳本卓治参議院議員を父に持つ自民党大阪のサラブレッド。

だが、この時期のダブル選挙は自民党側にとっては困難な戦いを強いられることになりそうだ。小西氏は知名度の点でひけをとり、現職市長の吉村氏にどこまで迫れるのか。

柳本氏は前回市長選で吉村氏に大きな差をつけられて敗れた。ただ大阪市の南部の区では善戦しており、北部での票を固めれば十分に勝機はある。

維新の会の立役者である橋下氏の動向がカギを握る。絶大な人気を誇る橋下氏が選挙にどう関わるのか。先頭に立って応援演説に回れば、維新の優位はより強固になるだろう。

今回のダブル選は維新の会が進める「大阪都構想」の住民投票の再現ともいえる。都構想は前回の住民投票で小差で反対が上回った。他に大きな争点はなく、首長選挙としては異例。維新の会の自己都合とも言える選挙に府民、市民はどんな判定を下すのか。
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